進研模試の偏差値はあてにならない?父親が娘の受験で気づいた3つの誤解

イメージ写真 受験との向き合い方
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導入

「進研模試で偏差値60あるから、超難関大も視野に入れていいだろう」

私は娘の高校2年の頃、こう判断しました。そして実際に、超難関大を目指す方向で進路を考えるよう、本人に勧めました。

結果から言うと、これは大きな判断ミスでした。

進研模試の偏差値は、実は他の主要模試と比べて高めに出る傾向があります。河合塾や駿台の模試で測ると、まったく違う数値になることも珍しくありません。私はそれを知らずに、進研模試の偏差値だけを根拠に、本人の実力を過大評価してしまったのです。

その結果、本人にとって厳しすぎる目標を設定し、貴重な高校生活の時間を、現実離れした計画に費やさせてしまいました。

この記事では、私が娘の受験で気づいた進研模試の偏差値に関する3つの誤解と、模試の偏差値を正しく読むためのコツを整理します。同じ過ちを、他の親御さんにはしてほしくない ─ そう思って書いています。

なお、過干渉な親が陥りがちな「子供の選択を先回りして決めてしまう」という問題については、別の記事(過干渉な親の3つの特徴と、抜け出すための具体策)で詳しく書いています。本記事はその一つの具体例とも言えます。

進研模試の偏差値が高めに出る3つの理由

そもそもなぜ、進研模試の偏差値は他の模試より高めに出るのでしょうか。理由は3つあります。

理由1:受験者層が幅広い(大学受験しない層も含む)

進研模試の最大の特徴は、学校単位で実施されることです。個人での申し込みは原則受け付けておらず、ほとんど全国の高校で、学校のカリキュラムの一環として一斉に受験されます。

ここに、偏差値が高めに出るからくりがあります。

学校で全員が受けるということは、大学受験をしない生徒も含まれるということです。就職希望者、専門学校進学者、商業高校や工業高校の生徒、指定校推薦や総合型選抜で進学する予定の生徒 ─ こうした幅広い層がすべて母集団に入ります。

一方、河合塾の全統模試や駿台模試は、基本的に一般入試で大学受験をする層が個人で申し込んで受験するものです。母集団そのものが違うわけです。

同じ学力でも、母集団の平均が低ければ偏差値は高く出ます。これが、進研模試の偏差値が高めに出る最大の理由です。

理由2:高1・高2は基礎問題中心

もう一つ、見落とされがちな点があります。

進研模試は、高1・高2向けの問題が比較的易しめに作られていることです。学校単位で実施するため、幅広い学力層が解ける難易度に設定する必要があるからです。

問題が易しいと、できる子はほぼ満点に近い得点を取ります。すると上位層内での差がつきにくく、結果として偏差値が高く出やすくなるわけです。

特に高1・高2時点での進研模試の偏差値は、入試本番の難易度とはかなり乖離があります。「高2で偏差値60あるから余裕」と判断するのは、危険な発想なのです。

理由3:浪人生が含まれない

3つ目の理由は、進研模試には現役生しか含まれていないことです。

大学受験では、現役生だけでなく浪人生も大きな存在です。特に難関大学では、現役合格できなかった上位層が浪人して再挑戦するため、母集団のレベルが上がります。

河合塾や駿台の高3向け模試には浪人生も含まれますが、進研模試は学校で実施するため、ほぼ現役生のみです。本番に近い母集団とは少しずれているわけです。

一般的な目安として、進研模試の偏差値60は、河合塾の全統模試では50相当と言われます。10ポイントほどのギャップがあるのです。私は、このことを知らないまま、娘の進路を判断してしまいました。

私が判断ミスした体験

我が家の場合、娘が高2の時の進研模試で偏差値60前後の成績が返ってきました。学校の成績はオール5に近く、私は単純に「これは相当できる方だ」と思い込みました。

そこから、超難関国立大学を視野に入れる方向で、家庭教師を手配し、本人にも「目指せるレベルだ」と話しました。

しかし後から振り返ると、これは進研模試の偏差値を額面通り受け取ってしまった結果でした。実際の入試レベルで言えば、その時点での実力は、もっと現実的な目標に向き合うべき水準だったのです。

もし当時、河合塾や駿台の模試も受けていれば、もっと早く実態に気づけたはずです。進研模試と他の模試の偏差値の差を理解していれば、無謀な目標設定をせずに済んだはずです。

結果として、娘は本来の実力に見合う進路選択の機会を、十分に検討する前に過大な目標へ進む方向に流れてしまいました。私が冷静に判断できていれば、別の選択肢 ─ 指定校推薦も含めて ─ をもっと真剣に検討できたはずです。

これが、私が娘の受験で犯した、最も大きな誤解だったと思っています。

模試の偏差値を正しく読むための3つのコツ

では、模試の偏差値をどう読めばよいのか。私の失敗から学んだ、3つのコツをお伝えします。

コツ1:複数の模試を受ける(または比較目安を持つ)

最も確実なのは、進研模試だけでなく、河合塾や駿台の模試も受けてみることです。学校単位で受ける進研模試と、個人申し込みの河合・駿台模試では、出る偏差値がまったく違います。

両方受ければ、子供の実際の実力を、難関大志望者の中での位置として把握できます。難関大を目指すなら、河合や駿台の模試こそが本当の実力の指標になります。

複数受けるのが難しい場合は、せめて「進研模試の偏差値は、他の模試より10ポイントほど高めに出る」という目安を頭に入れておくことです。これだけでも、過大評価を避けられます。

コツ2:偏差値だけでなく順位や母集団を確認する

偏差値という数字だけを見ていると、その数字が何の中での位置なのかを忘れがちです。

模試の結果には、必ず受験者の母集団情報や、志望校別の順位が記載されています。志望大学の中での自分の順位がどのくらいか、合格者の偏差値分布のどこに位置しているか ─ こうした情報の方が、偏差値の数字よりはるかに有益です。

私自身、当時はこうした情報を細かく見ずに、偏差値だけで判断してしまいました。これも反省点の一つです。

コツ3:高1・高2と高3で扱いを変える

最後のコツは、高1・高2の偏差値はあくまで目安として扱うことです。

先ほど書いたように、高1・高2の進研模試は基礎問題中心で、偏差値が高く出やすい傾向があります。さらに高3になれば浪人生が加わり、同じ実力でも偏差値は下がります。一般的に、高3になると偏差値は5ポイントほど下がるとも言われます。

高1・高2で偏差値60が出ていても、それは「将来の本番レベルでも60」という意味ではありません。本番に向けてさらに引き上げる努力が必要 ─ そう考えるのが、現実的な見方です。

それでも、模試は活用すべき

ここまで進研模試について「偏差値が高めに出る」という話を書きましたが、進研模試自体を否定したいわけではありません。

進研模試は学校で受けられる手軽な模試で、学習のペースメーカーとしては有効です。教科書中心の出題なので、基礎の定着度を測るには適しています。長期的な成績の変化も追いやすい。

問題は、模試そのものではなく、結果の読み方にあります。偏差値の数字だけを見て、子供の実力を判断してしまう ─ これが危険なのです。

模試は、使い方さえ間違えなければ、子育ての心強い味方になります。

まとめ

進研模試の偏差値が高めに出る3つの理由:

  1. 受験者層が幅広い(大学受験しない層も含む)
  2. 高1・高2は基礎問題中心で偏差値が高く出やすい
  3. 浪人生が含まれない

模試の偏差値を正しく読むための3つのコツ:

  1. 複数の模試を受ける(または比較目安を持つ)
  2. 偏差値だけでなく順位や母集団を確認する
  3. 高1・高2と高3で扱いを変える

模試の偏差値を見るたびに親が一喜一憂してしまうのは、子供のためというより、親自身の不安が原因かもしれません。冷静に数字を読み解くことで、子供の進路選択をより現実的に支えられるようになります。

過干渉な親が陥りがちな問題と、それから抜け出すための具体策については、こちらの記事(過干渉な親の3つの特徴と、抜け出すための具体策)で詳しく書いています。あわせて読んでいただけたら嬉しいです。

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